FEMINGWAY 〜有限要素法解析など構造設計にまつわる数理エッセイ〜

第5話 古都のミニ風景2

過日、広辞苑をペラペラめくっていたら、“山階(やましな)道理”という、聞きなれない言葉が目に入ってきました。その意味について、広辞苑には、こう書いてありました。

 

(山階寺、すなわち興福寺は藤原氏の氏寺であるので、その権勢により、その訴訟が必ず勝を得たことに基づく)いかなる非理非道でも押し通すことのできること。

 

「へー」と思うと同時に、この言葉に興味を持ってしまい、さらに調べてみたら、大化の改新の大功労者である藤原鎌足が重病になったおり、奥方が病気治癒を願って京都の山科(山階)の地にあった私邸を寺にしたのが山階寺であった、とのことです。この山階寺が、後に奈良に移って興福寺になったそうです。
ところで、拙著エッセイの発信地は山科です。地の利を生かして、何か山階寺の存在を匂わすものはないかと、いろいろ散策していましたら、ありましたよ。実は、地下鉄東西線の椥辻駅(山科駅より二つ目の駅)を降りて、西方面にしばらく歩いた所に“中臣”という地名があるのです。そう、藤原鎌足は、またの名を中臣鎌足と呼ばれていたことは、日本史の教科書にありましたよね。

5-a

5-b5-c

2010年6月記

Advertisement

コメントを残す

ページ上部へ