乱流が振る舞うパラドックス的現象が多い流体力学に比べると、構造解析者にとって中心的テーマである静力学は面白みにやや欠けるというのが筆者の感想であるが、どうであろう。定量的にはと

乱流が振る舞うパラドックス的現象が多い流体力学に比べると、構造解析者にとって中心的テーマである静力学は面白みにやや欠けるというのが筆者の感想であるが、どうであろう。定量的にはと
有限要素法の理論を最初に提示したのが、前の話の最後に紹介したクーラント(Courant;独1888-1972)であることを知っている人は、おそらく有限要素法の基礎に造詣が深い人
コンピュータのハード/ソフト両面の進歩を背景にして、われらが有限要素法も、適用される問題の規模がますます増大している。1CPU のパソコンで数十万メッシュの解析ができる時代にな
高校時代の英語の授業中、博識なる先生が、哲学を意味する“Philosophy”という単語の意義を解説してくれた。Sophyは“知”を意味し、Philo は“愛”を意味すると。だ
構造力学は、伝統的に金属類のような硬い材料の工業製品の分野での力学であるから、当然、有限要素法もその分野での利用がほとんどであった。 細長いホースや電線のような構造または、テン
いくらなんでも、工学部の門をくぐった者の中で次の形の微分方程式に一度もお目にかからなかったと言う者はいないだろう。 言わずとも知れた定数係数の線形常微分方程式だが、工学系分野で
熱伝導現象を表す偏微分方程式は定常状態では結局、ラプラスの方程式となる。フーリエは薄い板の熱伝導問題を考えた。この方程式の解法に彼は変数分離法を使う。変数分離法というのは、ほん
別に有限要素法に限った話ではないが、初めて熱伝導解析を試みようとする人は2つの係数の存在に戸惑うようである。応力解析では物質の種類が決まれば、場所に依存しない係数を用意すればい
有限要素法で使用されている要素の中でも梁要素、板要素といった、いわゆる構造要素と呼ばれている要素では、その構造特性である断面の幾何学的広がりをモデル化して1つの線、1つの面(中
構造解析における有限要素法も他の数値解法同様、結局は離散点(すなわち節点)での力の平衡方程式を求めることを目的とする。節点に働く作用力の代表は、構造物に発生した応力からくる内力